( 計算 ) 複素数・反転による証明;トレミーの定理
■ 複素平面上のトレミーの不等式
複素平面上に複素数α~Δの4点を考え、Δを原点に一致するように移動する.それらの距離の関係は、トレミーの不等式として、
|α(γ-β)| +| γ(β-α)| ≥ |β(γ-α)| ①
と表せる.
トレミーの定理では等号が成り立つ.
■ トレミーの不等式と同等な式
いずれの複素数も相異なるから、αβγで除せば、平面上で①を回転、拡大したものとなって、
|1/β-1/γ|+ | 1/α-1/β | ≥ |1/α-1/γ | ①’
と、見やすくなる.
■ 円周上の複素数と反転
(1,0)中心の円周上に、偏角が大きい順に複素数α、β、γとする.
・円周上にある複素数
複素数 ω=a+bi の反転*複素数は、
1/ω = ( a-bi ) / |ω|^2
`*ここでいう反転とは、 複素数の逆数をいう.
なのだったが、(1,0)中心の円周上にあるから、
(a-1)^2+b^2 = 1
|ω|^2 = 2a
1/ω = 1/2 - b i / (2a) ②
となっている.
この反転複素数の差は 実数部分が消えて、Re= 1/2 の直線上にあり、複素数の傾きに比例した虚数のみからなる.
このことから、つぎのような計算でも等号が成立することを知れる.
■ ①’の各項;絶対値の距離
②から、①’の各項;絶対値は、角φjで表せる.また、その大小条件を以前に決めていたから、
|1/α-1/β | = ( tanφ1-tanφ2 )/2
のようになる.
①’ において、左辺は、
( tanφ2-tanφ3 )/2 + ( tanφ1-tanφ2 )/2
右辺は、
( tanφ1-tanφ3 )/2
となり、一致.
■ 円周に内接する四角形では①’と①で等号が成立する.
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