morの解析ブログ

解析疫学、リスクにまつわるメモや計算

「推定」のまわりをさぐる.教科書では「解析はMHにより行う、因子が多ければ重回帰を用いる」という風で詳しい例は少ない.独自(のつもり)な思いつきで具体に試行.
 数理を用いるべきアセスメントにも切り込む.

リスクアセスメントのデータ再利用;仮定を置く

■ リスクアセスメントは、実証的な科学的知見を使ってモデルを推定し、リスクを評定していく.計算のもとになるのは実測されたデータ、現行の調理法・喫食法などである.実測データはかなりの件数に上る調査結果である必要があるだろう.実際のリスクアセスメント結果で羅列されたデータには、信頼に足るものも見出せる.また、それに類する公表データを”自分なりに”再評価するために使うことができる.
■ 国により処理加工に使用できる微生物制御方法が異なるという事情がある.
 RAはそれぞれに条件を異にすることになる.
 もしA国で使用できる抗菌素材zが、B国では使用できず、B国ではxでもって抗菌処理している場合は、そもそものデータの現れ方が異なるから、結果(菌の残り具合)がどうか、ヒトの発症にどう影響するか、アセスメントをやり直しすることが求められる.
■ A国データを天下り的に引用する主義があるとしたら、結論をいびつにし、真実の理解を妨げる.B国の求める真実は、xにまつわる観察と理論構築からのみ許されると考える.
■ 原因から説明できない状況下では、まず原因にせまる必要がある.工程の要因をみれば、既知の絞られたパラメータのみを使う解析は、何も求めない準備をして、何かを探し始めることに近い.リスクアセスメントでは取り上げた限定された因子のなかから関与する因子を挙げることはできる.しかし、実証実測されない因子は取り入れられていなかったのだから、関与する因子として取り上げられる運命は初めからない.
 パラメータを置かない回帰分析がありえないように、仮定を置かないで背後の真実には迫れない.


■ リスクアセスメントに使用されたデータにもまた、実証されていないが、関与するかもしれない因子があっても不思議でなく、データが残っているなら、新たな実験なしに知見を得ることができる.予算の節約というわけだ.検出された菌の違いは、思わぬ条件で、菌の性質の違いが現れる.(前述記事 いろいろ)
 もちろん同時に関与しない因子を仕分けられることがある.
■ 定性データと実証された因子のみで推測する場合はやや深い.
 まず、実証された因子が絶対優位であるが、推測された因子の効果は、定性データであるからそのままではリスクを正しく反映しない.定性データが関わるリスクを表す式を仮定してみる必要が生まれることになる.

×

非ログインユーザーとして返信する