morの解析ブログ

解析疫学、リスクにまつわるメモや計算

「推定」のまわりをさぐる.教科書では「解析はMHにより行う、因子が多ければ重回帰を用いる」という風で詳しい例は少ない.独自(のつもり)な思いつきで具体に試行.
 数理を用いるべきアセスメントにも切り込む.

交互作用の理解 ;2因子曝露の論理式は交互作用だった

■ 以前の計算から、
・線形独立な予測子で推定;logistic回帰 すると観察とズレがあること
・抑制因子は単独で弱生起性、生起因子存在下で抑制 のような、一見二面性を示す可能性があること 【二面性・・】
・論理式は、因子効果を単一とせず、データと推定とのズレを”補正”しうる
それらを再度記してみる
■ 論理式
 x1を前提にx2が働くとき、単独なx2とは異なる係数をもつ、というのが論理からの考え方だった
■ 交互作用 
・論理式との関係
 因子の効果をlogistic回帰係数でみる
   x1+x1*x2+x2・・
の交互作用を含む予測子は、x1の前提でx2が働くこととx2単独の働きを分ける論理式そのものである 新たに交互作用項の係数β12が推定され、またx1x2それぞれが因子独立仮定した推定とは多少異なってくる  

   

     図 因子の推定計数が作る多角形 実例データから
・交互作用
 x1を生起因子、x2を抑制因子とした例で・・ 
 x1とx2の線形独立な関係の仮定により両係数は”平行的”:黒線 な図形的関係となるだろうところ、”非平行的”になっている:紫線


  x1とx2が重複した場合;右上角 の係数は、 β1+β12+β2                
 交互作用のある場合の、x1曝露でのリスク値に対する p抑制効果は、RDとして
  p(β。+β1+β12+β2) - p(β。+β1)   


 交互作用項を入れて係数;β12が推定されるが、x1x2群のリスク値の計算は、β12に依るのでなく、β1+β12+β2 を予測子として行う
   また、β1+β12<β1 となるとき、つまりβ12<0 のとき、交互作用を考慮した場合のx2は、生起因子の存在を条件とした、抑制因子である 
                                       
       x2あり          x2なし
     x1     x1なし      x1   x1なし
  β0+β1+β12+β2   β0+β2    β0+β1   β0
     
・実例
 上の例に限らず、”平行的”関係といえない例、交互作用モデルが適切と思われる例が経験される


■ 方針を修正
 データに基づいて推定しようというのが前提であるから、ズレがあればまずは交互作用を想定し、推定する 
 平行的な因子効果を前提として推定するのが固定観念だったが、むしろ歪んでいるのが自然なのかもしれない


 交互作用がありそうなときは、しかし、ほかの因子の影響にも気を配らなければいけない

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