morの解析ブログ

解析疫学、リスクにまつわるメモや計算

「推定」のまわりをさぐる.教科書では「解析はMHにより行う、因子が多ければ重回帰を用いる」という風で詳しい例は少ない.独自(のつもり)な思いつきで具体に試行.
 数理を用いるべきアセスメントにも切り込む.

 分割gで抑制阻止もみえた+超幾何関数

・因子を調べるため、g化し、因子の特徴を率差でみた.小Nのgがあれば、gを和して計算する方法を考えてみた.超幾何関数で仮説との違いを視覚化できる.
 和すg:勝手にgを選んで和すのでなく「ペア*となるもの」という条件をつける.
      * 1つの因子について率差を取れるgの組
・gの選択(分割)と計算
 和すgは、選び出すのでなく、注目する因子で分類した数ペアを扱う.
 複数gの率の計算(生起因子限定無し)
  例 mtp+mp=24/36++3/10;(発生数の和)/(ID数の和)
          =27/46 = 0.587 
    この場合縦方向に和をとる(率差では横に差を取る).  


・データと計算
 pに注目する.
 8g(pありなしペア*のg);255 ID 
  * pありgと、それらからpだけ欠けたgのペア;4組
 pありなしをさらにsありなしで分け、4つのパートのなかでgを和する.


       元データ 
 

                    p有無によるパート発生率 
      上表:発生数/ID数        青:sあり、赤:sなし            
      下表:率             


・超幾何関数による視覚化

    

 1)sp(s抑制下でのp曝露)から11を抽出した分布と観察値
    sありの2gを和したg;159 ID から、11 ID(pなし)を取り出した場合の
    超幾何分布
    ”|”で示す 3 は pなしgの発生数観察値
   観察値は、p曝露とした場合に予想される値の分布とはかなりかけ離れ、低い.
   よって、pの生起性、または抑制の阻止性を疑う.
 2)s(p曝露または非曝露;170 ID)から11を抽出する方法でも同様の結果


 A)pのみの効果の否定

 

  pあるなしのgから、主たる生起因子tを含まないgを抜き出し、pの効果を測る.
  2g和×2をみると1)のpの生起性を否定**.
       **ごく少数の発生について調べるため、t以外の生起因子の影響を
        考慮して検討したところ、矛盾なし.


・結果から
 前記事まで、tの生起性、sの抑制性はあきらか.
 今回の結果から、pなしgではsありgの率が低く、sの抑制をみる.一方、pありgではsありgの率はなしのものと変わらない.また、pには生起性がないから、pは、sの抑制性を阻止する、と解釈.
 以前の結果で、茶も抑制性があり、これをpとの関係で計算したところ、同様にpが茶の抑制性を阻止する様子がある.
  
・まとめ
 pありなしのgペアをsありなしで調べることは、”s抑制に対するpの阻止性を分析する方法”となる.
 p、sからみて交絡であるtはペアごとにキャンセルされるとみなせる.


 因子の特徴づけにgの和とペアを使うことは、例を限定しつつ調べる方法であり、以前の記事で示した層化の別方法といえる.


・抑制阻止する因子は実際にデータに影響している.この例のpがもつ、茶やsへの抑制阻止性を補正できないか考えたい.

×

非ログインユーザーとして返信する