morの解析ブログ

解析疫学、リスクにまつわるメモや計算

「推定」のまわりをさぐる.教科書では「解析はMHにより行う、因子が多ければ重回帰を用いる」という風で詳しい例は少ない.独自(のつもり)な思いつきで具体に試行.
 数理を用いるべきアセスメントにも切り込む.

正規分布の最尤推定 ②尤度全微分から考えてみる

 尤度方程式をみると、推定したいβ、εが絡んでいるらしく、その関連を描いてみた.β、εの関連を調べ、それを外せば何かわかりそうな気がした.


■ 全微分尤度方程式 
・原点を通る線形回帰に正規分布を仮定して最尤推定する.真値 ; ε 、推定する係数 ; β.
尤度関数を、偏微分して、


     lnπP|ε から     
         σ^-2 (Σx+βΣy - (1+β^2 )Σε)     1)
     lnπP|β から
         σ^-2 (Σεy - βΣε^2)            2)


・しかし、これらをみればεとβは互いに関連するのではないか.
 ならば、とりあえず、全微分してみる.
 πlnP=ℒ、ℒ|ε = Y、ℒ|β = X、1) = A、2) = B とおくと、


       Y = A + B dβ/dε  
       X = B + A dε/dβ  


 となる.もう少し変形してみると、


         Y = A X / ( X- B ) 
        dβ/dε = Y / X                   3)


 なる関係がある.3)を適当な実データから計算、図示する.  

        

              dβ/dε値


 前記事の図で示した関係を変形したものとなっている.大いに遠回りした調べ.


 ℒが最大な位置は、偏微分で0かごく小さい*が、微分;3)は不定となる.
             * なぜか0とならない 


    ℒ|β= -15桁   微
    ℒ|ε= 0


  dε/dβと、ひっくり返しておく. 
 式にすると、
 

   

 となった.


■ βと平均εの関連
 全微分によって、3)のなかで1点が不定となっているが、それ以外の場所は、βとεの関連が表れる.なにかありそうなのでこれを少し進めたい.
 まず、βと平均εの関連をイメージする.データから計算、図示する.
 εの真値は、

   

 とおいて、gごとに計算、平均値を得た.
 ここでは、εをβでみることにすると、
 

       

            曲線の関係


 εをβの関数とした前提なのだから当然といえば当然.だが、関連が具体化できたことで、これをすこし外せば、自由な影響が調べられそうだ.


 ここまで・・
   [尤度方程式が、ぴたり0にならない]
   [ε平均からℒの変化を計算できて、関係がみえる]
   [εi個々からℒの変化を計算できるのかは持ち越し]
   [βとεが絡む 関係式をあえて外せば何かみえそう]

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