交絡と効果の修飾
■ 交絡と効果の修飾は、いずれもみかけの効果を生ずる原因である.
■ 交絡は、リスクファクターの一つであって、注目するファクターとは別にあるものとし、効果の修飾は、注目するファクターの存在関与を前提として効果を増強・減弱するものとする.
■ それぞれの起こりやすさが、効果にどう関与するかを考える.
いずれも効果に対して+にはたらくものを考える.
生起因子による2×2表
曝露 非曝露
発症 a b
健康 c d
とおく.ここで、 b《 d とする.
交絡は、生起因子が曝露されない場合も発症に関係するから、ことにbを大きくする.このことをΔを加えて表す.すると、
ORc = ad/(b+Δ)c
となり、1/cに依存してORを減少を示す.
一方、効果の修飾は、生起因子の曝露があるときに発症に関わるから、a,cに変化をもたらす.とくにcを増やすことに注目してΔを加えて表すと、
ORm = ad / b(c+Δ)
となって、1/bに依存した減少を示す.
・交絡によるOR変化が1/cに依存し、修飾は1/bに依存するが、分母が小さい修飾の方が、変化が大きい.
・オッズの変化とモデル係数への影響を考える.
交絡がある場合にctrlgのオッズは増大する.モデル係数では、切片β。を揺さぶることになる.
効果の修飾がある場合は、ctrlgのオッズに変化がない半面、曝露群のオッズは、むしろ減ずる.モデルの生起因子係数β1を揺さぶる原因となる.
図は、別記事のもの.工程から知る数値範囲より.