morの解析ブログ

解析疫学、リスクにまつわるメモや計算

「推定」のまわりをさぐる.教科書では「解析はMHにより行う、因子が多ければ重回帰を用いる」という風で詳しい例は少ない.独自(のつもり)な思いつきで具体に試行.
 数理を用いるべきアセスメントにも切り込む.

2017年9月のブログ記事

  • 狙いの1つは感染症と食中毒 鑑別

    ■ この記事(ブログ)では”感染症”を”食中毒以外の感染による事例”とする.コホートとみなせる集団で、発生時期が近接し、時間的にグループ分けせず、単一暴露な事例を想定して考える.  glmを用いて食品のメニューを因子としたモデルをベースにすれば、試行しやすい. ■ モデリングに感染機会因子が含まれ... 続きをみる

  • モデル因子の削減によるdevianceへの影響

    ■ glmの係数はモデルに取り込まれる因子の曝露重複状況が推定結果に反映され、因子削減したモデルでは、係数が大小する(代償性変化:過去記事で詳述した).  因子を削減したモデルたちについてdeviance、AICを観察すると、新たなモデルの因子係数ばかりかAICも影響されている:下図.  図で 横... 続きをみる

    nice! 1
  • ロジスティック回帰モデルの最尤推定値

    推定の有望な手段は次の2つがある. ① MHによる、因子調整 ② glm系(GAM含む)による推定  ②では、調査した因子がモデルに含まれていないと、推定した切片の値が異常*となることで、因子が「ほかにある」ことを知れる.これは、食中毒であったかどうかの判断に数値的ヒントを与える.  *異常とは、... 続きをみる

  • 生起因子を欠くモデルから 係数計算の試行

    ■ この記事(ブログ)では”感染症”を”食中毒以外の感染による事例”とする.コホートとみなせる集団で、発生時期が近接し、時間的にグループ分けせず、単一暴露な事例を想定する.  glmを用いて食品のメニューを因子としたモデルをベースにすれば、試行しやすい.  事例の観察から得たデータを見るが、ここで... 続きをみる

  • 【最尤推定の理解】

    ■ 二項分布、ポアソン分布より複雑で面白いのがlogistic分布の最尤推定である. ■ 最尤推定をlogistic回帰でなぞる.     xi :個人ごとのプロファイル      βj :係数(切片を含む)     とおく.また、     yi :観察された個人ごとイベント発生プロファイル  と... 続きをみる

  • reduceモデルで保たれる、残因子coefficients

      ( yahooブログ2015/12/8(火) 午後 8:52転載) ◆ 要約 一般化線形回帰モデルglmに現れるinterceptは、知られていない性質がある.reduce modelにおいて、intercept、因子係数にはreduceされた因子の影響が映されるが、残された因子の係数はその性... 続きをみる

  • glmにおける切片の見方(因子削除or欠損)転記

      yahoo morブログ2015より転載した ◇趣旨 ・複数の因子を想定し、起こった事象の観察から、その根底にある因果関係を推しはかるにあたり、glmで処理できる事例は広範囲に及ぶ. ・glmは、切片に相当する係数β。、各因子の係数βiについて尤もらしい値を与える. ・モデル推定の結果、因子の... 続きをみる

  • 調査しなかった因子の係数を求めたいが

    □ モデリング推定から、調査しなかった生起因子の大きさを推定することが目標の1つであったが、モデルからでなく、粗な2×2表から考えたらうまくいく. □ モデリングで起こる係数の異常、容れる因子の性質もヒントになった.記事 ”回帰モデルの係数が?になるわけ”において、コホートを前提に、モデリング上で... 続きをみる

    nice! 2
  • MH法による調整値とglm推定係数の比較

    概要  MH法;Mantel-Haenszel要約オッズ比    ;http://minato.sip21c.org/oldlec/social_stat_p09.html     ;またはAdjusting the Mantel Haenszel Test Statistic and Odds ... 続きをみる

  • 後ろ向き研究用シート作成

    ・因子間影響を調整した疫学的分析が求められる.未調整のまま、mastertableを使用して検討するのは情報不足となる. ・単なるmastertableシートを改良し、21曝露因子を層別因子とし2層層別解析を可能とした.MantelHaenszel要約オッズ比・相対危険を分析できる.因子同時処理で... 続きをみる

    nice! 1
  • glmと層化:交互作用項の意味と活用 「タモキシフェン」から

    ◆交互作用項の意味と拡張した使用法について記す On a meaning of interaction ◆交互作用項の意味 ○ glmにおいて、2つの因子A,Bについて交互作用項を設け、モデル推定するとAまたはBのみの効果係数、そしてAかつBにかかる係数(交互作用項)が得られる.Aのみの効果係数か... 続きをみる

  • 余興 detはおもちゃでなかった

       2×2表を行列と扱ってdetを計算すると、あたかもリスク値のようにふるまうと気づいた. : 記事 おもちゃ”det・固有値をリスク値とみなす”.  ところが、非曝露群での発生率と暴露群の発生率を曝露状況で調整した差をabcdで表すと ad-bc を含んでいる.つまり1個人のcrudeなris... 続きをみる

  • 余興 固有値の疫学的試用:観光船事例

    ■ 具体例   ■「観光船」事例を題材とする.この事例は、因子数も豊かで生起因子のほか、みかけの因子、抑制因子が含まれる.コホートとみなせる集団に起こった、後ろ向き研究の格好のデータであり、当ブログでたびたび取り上げている.  比較のため、因子ごとに2×2表マスターテーブルをつくり、cludeOR... 続きをみる

  • 余興 固有値の疫学的試用:シュークリーム事例

    ■ この記事で試すリスク推定値は固有値である.  固有値の小さい方(以下、単に固有値という)をリスクと対応させることができることを例題データを使って示す.  従来の解析方法による結果と比較する. ■ 固有値の、影響度判定力の検討 ・シュークリーム、カフェラテの例題で交絡と固有値の関係をみる.  ... 続きをみる